この海に居ること

人生ゲームの消化試合

続編やリメイクは原点を超えられない、原点にして頂点

いつの時代でも漫画やアニメにおいて、過去の名作が完結から時を経て続編が作られたり、あるいはリメイクが作られたりする。続編が出るとなれば愛されている作品こそ盛り上がるし、リメイクが出るとなれば見たことのない過去の原作を現代の価値観に近い「馴染みやすいもの」として違和感のない仕上がりで見られることが多いため期待がされる。だが、こういう作品が原作の評価と同等あるいは上回ることはあるのだろうか?と最近ふと考えた。じゃあ僕は一体何の続編やリメイクをどれくらい見たのだと考えると具体例をパッと思い浮かばないが、これまで生きてきて見てきた作品から感じたフワッとした個人の感想を書いていく。

 

まずは続編について。僕はかつてシャーマンキングを全部読んだことがある。もう何年も前なので内容も結末あまり覚えていない。しかし、今は休刊となったジャンプ改なるものでシャーマンキングフラワーズという続編が連載されていた。こちらも一応連載を追っていた。しかしいつの間にか読むのをやめてしまった。元のシャーマンキングの方が面白かったからだ。続編ではまた天下一武闘会的なのをやるから仲間集め、的なのを内容から始まったような気がするが、でもそれってもうやってるじゃん、って卒直に思う。続編に多いのは、結局新キャラが過去の焼き直しを行うこと、元作品ほどの勢いがない、かつてのキャラの扱いが中途半端、といったものがあると思う。

あと、ドラゴンボールなんかそうだけど、やっぱり漫画原作の範疇が1番面白い。僕はドラゴンボールが好きだ。アニメはちゃんとは見てないが、GTも超も神と神も復活のFも見た。GTはマジで基本的につまらなかったし、スーパーサイヤ人4も悪くはないけどネタ切れ感が否めない。最後の元気玉くらいしかアツいシーンもなかったように思う。神と神もお祭り映画とはいえタイトルに「Z」がついてるけどなんかテンポも悪いし緊迫感もなくて期待しすぎて損したかな、って感じで肩透かしを喰らった。復活のFは肝心のフリーザ対悟空までは面白かったけど、フリーザも悟空も遊んでるし、新形態のスーパーサイヤ人ブルーへの変身もあっさり終わるし結局スーパーサイヤ人ブルーはその時点最強形態のくせにフリーザの方が強いしで、まーた微妙な映画だなと思った。スーパーは最後の方はまあ面白かったけど、でもフリーザセル魔人ブウとかを倒すときほどの面白さみたいなのは感じられなかった。

 

続編だと、見る人が求めるのはもちろん「元作品のような面白さ」だけど、それはすでに「元作品」の中にあるので、続編を作ったとしてもどうしても「なんだか見たことあるような展開」で新鮮さに欠けやすい。となると、初めて見た時の衝撃みたいなのは無いし、初見の衝撃的な展開(いい意味で)があったおかげで名作になれた作品だと、それを超える衝撃的な展開や物語を焼き直しではなく新規で用意しなければ元作品と比較してどうしても目劣りする。それってすごく難しいと思う。元作品からの流れに違和感を持たせることなく、過去誰にも似てない新キャラや新しいエピソードで「元作品っぽさ」を残しながらやらなければならないのだ。

 

リメイクについて。リメイクをする場合、絶対にリメイク前のままが好きなファンがいるので賛否両論になるだろう。人によってリメイクに何を求めるのかが違うと思うので、万人が納得するリメイクとなるとかなり難しいと思う。第一、原作が面白く愛され続けるからこそ時を経てリメイクしようとなると思おうが、すでに原作には完成された面白さがある。原作を再現するだけならリメイクをする意味がない。アニメなら全く同じキャラデザ、全く同じセリフで画面を綺麗にするだけなら、それこそBlu-rayにでもして出せばいいだけである。原作のノリをもう一度味わいたいなら、原作を見ればいいのである。新たに作る必要がない。また、リメイクアニメだと大概新規声優が出てくるので原作の声だからこそ好きだった人には微妙な感じになる。寄生獣にように今風にアレンジすると、原作っぽさがなくなるし、「原作の皮を被った何か」になる。ハンターハンターのように、最初のアニメ化時にはなかった原作部分が時を経て一章分丸々できたからいっそのこと最初から、というのならいいかもしれない。ハンターハンターは漫画で読んだが最初にアニメは見ていない。故にリメイクのアニメだいたい見たけど普通に楽しめた。リメイク前を見ていない人にとってはリメイクはいいきっかけかもしれない。

でもリメイクって、上記のように原作を再現するだけなら原作見れば良くね?ってなるので大抵アレンジが加わる。するとやっぱりどうしても原作と違うことから来る違和感が出る。となると、作品としては面白かったとしても結局原作には勝てんな、という感想になってくると思う。

 

神がかった原作や、多くの人を惹きつける名作を作った人が、その後の作品がパッとせず、結局続編やリメイクで戻ってくるのって、なんだか哀しさがある。それが原作よりもつまらなかったらなおさらだ。また、続編やシリーズが愛されていても、1作目に出てきたキャラや設定がいつまで引っ張られたりするのを見ると、結局1作目が原点にして頂点なのかな、とも思う。原作のような話を引っ張っていく名キャラを続編以降で作り出せていない、というような気持ちになる。

Zガンダムを見終えた。一応最初のガンダムの続編ということで戦闘描写や話の練り方は圧倒的なものを感じるが、アムロもシャアも出てくるあい、ガンダムシリーズ全部見てないがその後も彼らにまつわるOVA出ているようだ。結局、初代がずっとバックを支えているのだ。

 

しかしここでハッとした。自分はポケモンGOも結構やっている。1番好きな地方はホウエンだ。それは自分が初めてまともにプレイした原作だからだ。ポケモンこそ初代が至高と言われる。確かに初代のポケモンは、それまでポケモンシリーズが無かったところにあのモンスター達を生み出したのは凄すぎる。デザインもいい感じにモンスターじみている。カントー地方にも好きなポケモンはいっぱいいるがやはり3作目のルビーサファイアに出てきたポケモン達が好きなのだ。

 

まあでも、漫画にしろアニメにしろ、それを見る時の自分にコンディションで感じ方は結構変わるし、自分が面白いと思ったのなら続編だろうがリメイクだろうが好きでいればいいし、他人の評価を聞いて自分の評価を変える必要はないのである。そういうのは自分がとても苦しくなるからだ。常に新しいものを作ることだけが作品を作るということではない。