映画「バンブルビー(BUMBLEBEE )」 感想
僕は実写のトランスフォーマーシリーズが大好きだ。でも原作のアニメや玩具にはほとんど触れたことがなかった。2007年公開の実写映画「トランスフォーマー」はスルーし、リベンジが公開される2009年にテレビで「トランスフォーマー」を見てからハマり、リベンジ以降新作映画は劇場で観ている。新作のバンブルビーは3回観たが、とてもいい映画だと感じたので感想を書きたくなった。
しかし、バンブルビーの初見は、正直微妙だなと思った。僕の中でトランスフォーマーは、もっと角ばったメカニカルな金属生命体がド派手にアクションをしアツい展開で敵をぶっ倒す、というのが確立されたイメージだったからかもしれない。バンブルビー公開前の事前情報で今作がこれまでと作風を変えたスピンオフというのは確認していたけれど、やっぱり初めの感想は「これはこれでアリかもしれないけど僕が見たいのはこういうトランスフォーマーじゃないかな」というものだった。
まず、バンブルビーもデザインでいくとそれまでカマロから変身していたのが今作はビートルだ。これまでのカマロバンブルビーがカッコよさ・人懐っこさ・かわいさを上手いこと盛り込んだデザインをしていたと思っていて、それがとても好きだった。特に見た目のカッコよさは重要で、僕は大変気に入っていた。ところが今回のは丸みを帯びてカッコよさはあまり感じられない(マスクオン状態ならまだカッコよさはあるが)し、全体的に少年ぽさ・かわいさが増した。まあ今回の映画は人とトランスフォーマーの交流がメインテーマっぽい感じがあるのでトランスフォーマーどうしの争いという要素はこれまでより控えめにする必要があったのだろう。物語も、トランスフォーマーどうしの戦いは冒頭のシーンと終盤のみとなるので、あまりガンガン戦う印象もない。
だが、初回の鑑賞からだいぶ経ってからなんとなくトランスフォーマーシリーズだしDVDかBlu-ray持っておきたいなと思ってBlu-rayを購入、ついでに鑑賞。そしたら、なんかめっちゃ面白くないか?って思った。
まず、変身シーンがすごく丁寧で、結構ある。これは良い。最後の騎士王ではこのシリーズの醍醐味のひとつである変身シーンが少なかった。オプティマスなんかまともにしなかったしね。でも、今回のバンブルビーは、バンブルビー自体も結構変身するし、変身バリエーションも豊富である。ビークルモードの形状も実質4つあるし、ビークルで走りながら変身、チャーリーとの練習で変身、戦闘中に変身、などなど実写トランスフォーマーシリーズに求める変身という要素をしっかり満たしている。特に好きなのは終盤ドロップキックとの戦闘シーンで、ドロップキックから攻撃を受けたバンブルビーが後ろに吹っ飛ぶのを利用しトランスフォーム、ビートルで旋回しその勢いを利用し再度トランスフフォームしドロップキックへ飛び込む場面だ。あれはいい。あのシーンは本当にトランスフォーマーでなきゃ作れないシーンだし、本当にいい。最新のトランスフォーマー映画なのでCGもとてもすばらしい。ますます違和感なき感じになっている。
次に、ひとつの映画としての出来もいい。バンブルビーが地球に来る理由、チャーリーとの交流、その裏で進むディセプティコンの策略、そしてバンブルビーvsシャッター&ドロップキック、別れからのカマロに変身、1作目へ、という流れがなんというか無駄がない。冗長に感じる場面がない。マイケルベイ監督の本編だと、どうしても「ここいる?」みたいなシーンもあり上映時間が2時間半くらいとかなり長くなる。そんでも2時間半観てしまうわけだがやはり長い。バンブルビーは2時間弱とありテンポの良さも相まって、言葉は悪いが「退屈な時間」というのがない。
チャーリーの背景、葛藤、そしてそれを乗り越える過程が矛盾なくスムーズに観ていて入ってくる。え、ここでこんなことすんの?あんなこと言ってたとに割とあっさりやってのけるな、みたいなのがない。それぞれの行動に、ちゃんと納得がいく。そういうのってありそうで無いんだよな、惜しい作品はいっぱいあるのに。
だから、変身シーン、ストーリー、終盤クライマックス後の余韻みたいなのが本当にうまく噛み合っていて、観た後に、ああいい映画を観たって感じですごく残る。
ぜひ、バンブルビーを鑑賞しよう。そして、あるのかわからない本編の続編を確実なものとするために投資しよう。