この海に居ること

人生ゲームの消化試合

安心な僕らは旅に出ようぜ くるり:ばらの花

今年に入ってくるりというバンド(?)にハマっている。きっかけはタイトル通り、ばらの花から。名前は聞いたことあったけど代表曲とか全然知らなかったけど、ばらの花を聞いてから、この曲が収録されているアルバム「TEAM ROCK」を購入。これが僕のくるりデビューアルバムだった。最初通してアルバムを聞いたときは、なんだか今ひとつ山場というか、掴み所のないアルバムだと思った。でもとりあえず何回か繰り返し聞いていると、なんだかすごく良いアルバムなのである。1つ1つの曲にものすごいパワーがあるというよりも、アルバム全体としてまとまったときに非常に良い流れに聞こえる、という感じだろうか。特に、最後の3曲、ばらの花→迷路ゲーム→リバーの流れでアルバムが終わるのが本当に好きだ。このアルバムがいいなと思ったので、前後のアルバム、すなわち「図鑑」と「THE WORLD IS MINE」も購入。この2枚も非常に良かった。そして、これはくるりの中でも比較的初期のアルバムだから、最新のくるりはどんな曲を作っているのだろうと思って最新アルバム「ソングライン」をつい先日購入した。まだ1回しか通しで聴けていない。ソングラインは、図鑑〜ワールドイズマインの曲の雰囲気とは大きく異なっていて若干戸惑ってはいるが、まあくるりのことだからそのうち馴染んでいくだろう、なんて思っている。

 

ここから、図鑑〜ワールドイズマインの3枚についての僕の感想というか思うところを書いていく。

ばらの花なんか顕著だと思うが、なんだか優しい曲が多いというか曲や歌が体に馴染んでいくような感じがある。聞くのにエネルギーが要らないというか。気づけば口ずさんでしまう曲が多い。くるりの歌は、大声で叫ぶような曲とか、高い音域を力を込めて歌うというのは少ない気がする。あと、僕は結構内省的な歌詞が好きなんだが、くるりはそういう感じというか、少し悲しい描写なんだけど美しい表現をしているように感じる。宿はなし、けっこう好き。それと、初めて聞いた時は、なんだこのヘンな歌は?と思う曲も多々あったんだけど、それが不思議とかえってその感じが良くなってくる。ガロンとか、初めて聞いた時は舐めたような歌だな、無駄に長いしこれもっかい聞くのしんどいな…なんて思ったのだが、今では普通に聴けてしまう。図鑑にはピアノガールというピアノ弾き語りの曲があって、チームロックにはカレーの歌というこれまたピアノ弾き語りの曲があるんだけど、この二曲もどこか寂しさを感じさせる歌ではあるんだけど、はっきりとそれを歌詞にしていないのにすごく感じさせるし、アルバムの中の絶妙な順番に入っているので、アルバムを聴いていてこれらの曲が出てくると嬉しくなる。

ワールドイズマインは、ワールズエンドスーパーノヴァはもちろんのこと、最後のパールリバーに衝撃を受けた。カヌーを漕ぐ音が曲の半分程度もあるのもビビったけど、本当に美しいと思った。心地よかった。2分半くらいじゃ短いように感じた。歌詞もまた二度と会えない人を思い出させ、非常にセンチメンタルにさせる。そしてこのアルバムをリピートで聞いていると最初のギルティーに戻る。このギルティーも、「ラ、ラララ…」のところがやばい。曲序盤の投げやりな感じから一気に曲が激しくなったら少し落ち着いてこのラララ。走馬灯ってこんな感じなのかなとこれまでの人生をなぜか一瞬振り返ってしまう。水中モーターも良い。初めは長いだけの曲で退屈に感じたが、だんだんあのメロディが気持ちよくなり、何言ってるかわからない歌詞もそれはそれでいいような気がしてきた。

 

なんだか取り止めもないけど、本当にくるりと出会った衝撃はこれまで聞いた音楽の中でも特異なものだった。歌に癒されることが多いので、こういう曲放ってくれたくるりを応援していきたい。