この海に居ること

人生ゲームの消化試合

アニメキングダムは非常に惜しい作品だった。

アニメキングダムについて、シーズン1・2の視聴をした。ただし、正確にいえばシーズン1はフルで全話見たけどシーズン2は対廉頗の部分を中心に飛ばし飛ばしで見た。まあ漫画でストーリー知ってるからアニメとして見たい部分だけを見た。紫夏あたりの話はまあ漫画で十分かなと思ったわけで。

 

シーズン1、オープニングの歌は良い。一通り見た中で、キングダムアニメの中では1番良い歌だったと思う。なんというか、キングダムのアツさを秘めている歌というか。でも、一応古代中国の話なんだしバリバリ英語歌詞が出てくるのなんかなあとも思った。物語の進行に合わせて微妙に背景変える演出も良かった。で、本編はというとキャラが手描き作画になったり3Dになったり。急に3Dになったり手描きになったりとでキャラの顔があんまり安定しない。しかも、戦闘シーンは全て3D、それ以外の会話パートは全て手描き作画とか線引きされてるならまだしも、特に基準はないっぽい感じだから、顔も質感もコロコロ変わってしまって、気になってしまう。楊端和なんか、せっかくの美人キャラなのに3Dになると全然美人じゃないんだよな…。顔周辺の髪の長さも変わってしまい、結構別人になる。百万回言われているかもしれないが、本当にアニメキングダムはこのシーズン1の3Dキャラで損している。もったいない。敵も味方も兵士とか数が多いからその辺のモブを3Dにして一度に動かしやすくしたのだろうか。要所要所の大事な戦闘シーンでこの3Dキャラでヘナチョコチャンバラやるのはまずかったと思う。剣と剣がちゃんと当たって無いように見える場面も多々あるし、表現がマイルドに規制されているからか敵を斬る時も基本原作ほど流血したり切断されたりしないから、アニメだと剣先が体表をなぞるだけに見えてしまう。おいおい、甲冑着てる相手にそんな一撃だけで瀕死にできるのか?ってツッコミたくなる。だから、信が漂とこなした尋常じゃない修行の成果により敵を圧倒するシーンもイマイチ説得感がなかったというか、ヘナチョコの信が強敵に勝っていくのがいかにもご都合主義に感じ取れてしまうんだ。(本編もご都合主義なのはここでは触れない。それ踏まえての面白さだから)戦闘の駆け引きが単調に見えてしまうというか。本当に、3Dのクオリティが微妙である。個人的に1番気になったのが、王弟反乱編で竭氏の側近であった肆氏(しし)の顔に似た3Dモブがずっと飛信隊にいたことなんだよな。3Dモブ、顔パターンも豊富ではないっぽくて、所々同じ顔のモブがいっぱいいる。そういうのばかり気になってしまう。

 

シーズン2になると手描き作画がグンと増え、おや、3Dは?となるくらいにはだいぶ息を潜める。まあそれでも主要キャラ以外のモブの戦闘シーンは3Dキャラになってて、3Dモブが周囲にいて手描き作画の主要キャラがその中にいる、というそれはそれで若干は違和感が残る画面となっていた。ただ、シーズン2でも戦闘シーンの微妙さは健在で、カチャカチャ音はするんだけどもキャラに動きが少なくて戦ってはいるもののこれまたどこか単調というか今ひとつ迫力に欠けるのである。止め絵か、もっさりしたスローの動きが多用されるのもそう感じさせる原因かと思う。シーズン2の見どころのひとつである信vs輪虎も、これらの理由で、アツいんだけどももうちょいなんとかならんかったんかな、と思ってしまう。それと、BGMもなんか当たり障りのないというかイマイチ残らないのである。ウルトラマンネクサスを見ているとき、音楽にも力を入れていますとのことで川井憲次氏を起用したとのことであったが、見事に功を奏していた。音楽で見る者の感情もしっかり揺さぶっていた。しかしキングダムのアニメにおいてはそれも微妙に感じてしまった。

 

まあ、今更こんなに言っても始まらないが、原作の漫画は非常に面白いし、今放送中のシーズン3はまた全体的にクオリティが上がった感もあるのでこれからに期待だ。でも逆に、進撃の巨人とか鬼滅の刃みたいにアニメがメガヒットして社会現象になるとどうしてもずっとファンでいた人の中にはなんだかメジャーになりすぎて面白くないって感じる人もいるかもしれないし(というか僕)そうなると妙な引き延ばしとか入って最終的に微妙な作品になってしまうのは残念なので、その辺キングダムは「読んでる人はいっぱいいるから話のネタになりやすい、でも巻数もあるからいわゆるアニメ化から入るニワカ的なの目につきにくい、でもワンピースとかみたいな超メジャー感は無い、ちょうどいい感じの作品」って感じなのだろうか。

 

うーん、まだ深堀りすればいろいろ出てくるかもしれんがとりあえずこの辺で。是非キングダムという作品に触れてみてはいかがでしょうか。