この海に居ること

人生ゲームの消化試合

ウルトラマンは物語の主役なのか、それとも戦闘手段なのか

最近ガンダムを見始めた。初代のテレビシリーズを見終えたので、今はZガンダムのテレビシリーズを見ており半分くらいを見終えた。そこで感じたのは、確かにガンダムはカッコいいのだが、あくまで物語の中心は人間であり、ガンダムは兵器に過ぎない、ということである。Zガンダムの途中でホンコンシティで市街地戦があり、ビルの並び街で巨大な戦力がぶつかり合う、というのがウルトラマンみたいだなと思ったので、タイトルの考えが浮かんだ。

 

ガンダムはたくさんのシリーズがあり、ガンプラはその関連商品の中でも非常に有名だ。「ガンプラ市場」なる関連商品の一大市場形成されている。そして、ネットでガンプラについていろいろ調べていたら気になる一文を見つけた。「現行シリーズのガンダムは、ガンプラや玩具を売るための宣伝材料になっている」というものだ。ガンダムシリーズのひとつとして「物語」を作るのではなく、「カッコいいロボット同士が戦う」アニメとなっている、といった感じの指摘だった。確かに、ガンダム本編シリーズをちゃんと見ていなくても見た目のカッコよさからガンプラを買う人は一定数いるだろう。僕の知人の弟も、ユニコーンガンダムガンプラを買っていたがユニコーンガンダムはおろかガンダムシリーズもまともに観たことはなかったとのこと。別にそのこと自体は悪いわけではない。このように、本編を見ていなくてもガンプラを買ってくれる人がいるのであれば、ガンダムという「キャラクター(敢えてこう表現する)」自体に魅力があるということになる。本編から独立してキャラクター単体で人気を得るというのはそれはそれですごいことなのだが、こういう現象が多くの人に受け入れられるほど、「カッコいいロボットが出てくるアニメ」としてのガンダムに磨きがかかるだろう。そういう時代かもしれない。

 

ウルトラマンにおいても、近年のニュージェネはちゃんと観ていないので申し訳ないが、かいつまんでビジュアル資料やホビー雑誌でピックアップされたりしているのを見ると、どうしてもオモチャっぽい武器だったり、関連グッズにバリエーションが豊富である。オモチャを売るための番組としての側面を持つのは昔からだが、もうウルトラマンネクサスのような、ストーリーを練った作品として勝負するウルトラマンは出てこないのだろうか。新番組のウルトラマンZも、また諸先輩方の力を借りる系か…というガッカリ感は否めないし、となると販促の色がちょっと強めかもしれない。

 

ウルトラマンネクサスにでは、主人公以外がウルトラマンに変身する点や、防衛組織がかなり強いことなど、番組タイトルこそウルトラマンネクサスであるが、ウルトラマンネクサスを中心とした人間ドラマという感じがする。いやいや、ウルトラマンが出る作品で人間ドラマなんか興味ないよ、ウルトラマンが出てきて派手に怪獣と戦ってカッコよく光線技を放てばそれでいいんだ、という人もいるかもしれない。しかし、だ。僕は「それだけ」のウルトラマンだとしたらどうしても物足りなさがあると思う。少なくとも僕はそう感じる。骨太のストーリーがあって、あくまで「戦闘手段」としてのウルトラマンがカッコよく敵や怪獣を倒すからこそ、「普通」の作品が「とても面白い」作品になると思う。怪獣にはちゃんと出現する理由があり、人間には戦う理由があり、物語の方向性にもちゃんとした理由があり、それらがバランスよくミックスされた物語が僕は見たい。ウルトラマンがピックアップされすぎて他が蔑ろにされてしまうと、どうしても作品を観賞したときの「チープ感」が否めない。ニーズを満たすことに特化しすぎて、「こういうのが見たいんでしょ?」という制作者の意図が感じられてしまう作品は、僕はあまり好きではない。自分が選んでいるのではなく選ばされている感じがあるからだ。自分の意思ではなく、他人の意思によって搾取されている感無意識に感じるからかもしれない。ちょっと表現が大袈裟になったかもしれない。

 

いつも書いてて思うが、タイトルと記事の中身がそこまでマッチしていないような気がするんだよな…笑。

ウルトラマンが物語の主役という点で考えると、設定でウルトラマン人間の体(他人の体)を借りず自分で人間態となっており、なおかつその人が主人公の場合(ウルトラセブンとか)だとしたら、ウルトラマンは物語の主役だ。一方で、初代ウルトラマンのようにハヤタというウルトラマン本人と主人公(変身者)の精神が別であれば、ウルトラマン自身は物語の主役というより戦闘手段、と見ることが出来ると思う。まあどっちがいいとか悪いという話でもないが。

ただ、ウルトラマン本人が人間態となっていたとしても、姿は人間だから、人間態の主人公を巻き込んだドラマを展開したとしても、思考回路などがあまりにも人間に寄りすぎてしまうのでは、とも思う。ちなみにウルトラセブンは小学生で見たきりなので物語の詳細はあまり知らないのと同じです。

 

総論とすると、キャラ売りはあんま好きじゃない、魅力的なシナリオ絡め魅力的なキャラを作る作品の方が自分は好きだとわかった、ということだった。